現代人にとっては、年をめされた方でも、物心ついた時から、ラジオがあって、電気が空間を伝わることが当たり前でした。
もちろん、当時の人は、ラジオを見せられて、その中に人が入っていると思ったでしょう。
今では、もっと当たり前になってます。例えば、リモコンでチャンネル変えたりDVDを操作したり。電話も、外で、どこででもかけることができます。
しかし、この電磁波というものは、今から約150年前には、信じられなかったことなのです。
電荷や磁荷が発見され、その性質を、多くの科学者が研究して、定式化してきました。電気そのものの発見は、BC600年くらいでかなり古いのですが、物理学的に定式化し始めたのは、1800年代でした。
電磁気というのは、意外と複雑で、電気、磁気が、かかわりあった力などもあったり、電流が磁気を作ったりします。
それぞれの性質を定式化した人たちは、何人かいて、約9つの法則が電磁気に関する物理の公式となりました。
ここで、マックスウェルという数理物理学者が、上の法則を4つの方程式に集約します。
数学的には「ベクトル解析」というもので理解できますが、この数学は、大学で初めて習う数学です。
詳しい内容は、ここでは言いませんが(もし必要ならば、連絡ください)、マックスウェルは、その方程式が数学的に首尾一貫するには、電磁気が空間を伝わることができると結論付けました。
もちろん、当時の人たちには、信じられなかったと思います。
しばらくして、ヘルツという大学の実験の講師をしていた人が、実験の授業中に次のことに気づきました。
「あるテーブルで、電気の放電が起こると、他のテーブルに伝搬しているようだ」、と。
ここで、ヘルツは、マックスウェルの予言を思い出し、実験的に電磁波が存在することを証明しました。
これが、電磁波の「はじめて物語」です。当時はノーベル賞は、なかったので大々的に評価はされなかったようですが、現代のテクノロジーで最もよく使われているものの一つではないでしょうか。