こんにちは。今日は、「物理ってめんどくさい」と思わせるようなお話です。まぁ、何事も正確に議論するには、めんどくさいことも必要ですが。
よく日常で、「質量」とか「重量」という言葉を同じ文脈で使うことがあります。もちろん、文学的に問題はありませんが、物理では明確に区別しています。
聞いたことがあると思いますが、「質量」はその物質に固有のもので、地球上でも、月面でも同じ値を取ります。
一方で、「重量」は、重力によって変わるので、月面上の重量は、地球上の6分の1になります。
「でも、結局は重さに関して表現してるんだから、どっちでもいいじゃない」という人もいると思います。たしかに、文学上問題はありません。
では、もう少し、踏み込んでみて、この二つの決定的な違いはなんでしょうか。それは、質量の単位は、キログラムですが、重量はニュートン(力の単位)なのです。
つまり、物理量として両者は全く違うということです。我々が物をもって、「重い」と感じるのは、地球の重力で引っ張られる力を感じているのです。
逆に同じものでも、無重力状態であれば、重さ(重量)は感じません。
もちろん、質量も重量も加速度を通じて繋がっているので、切っても切り離せない関係ではあります。
しかし、ある人が「この物体の質量は?」と「物体にかかる重量は?」というのは物理的に求めるものが変わってくるということです。
ちなみに、質量は英語で「mass」、重量は「weight」と言います。