数学とは世界を作ること。代数の一部から垣間見る数学の考え方

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数学的な物の考え方というのは、物理や工学とは少し違います。元々、数学は、きちんと定義された数字や記号をもって、論理的に議論するので、純粋哲学と呼ばれていました。

定義と論理さえしっかりしていれば、数学者はどんな「世界」でも作ることができます。

あまり難しいことを言わず、この数学世界を説明したいと思います。代数というのを聞いたことがあると思います。厳密な定義は置いておき、身近なもので言えば、10進数を使った四則演算と、それに関連した記号演算を言います。

「ガムを10個買って、1000円ならば、一個あたりいくらになるでしょう。」という問題も、代数を使って解くことができます。

また、足し算や掛け算においては、どんな2つの数を使っても、足す、もしくは、掛ける順番によって答は変わりません。

例えば、「Aさんが、みかんを5個、Bさんが、みかんを7個持っています。二人のみかんの総数はいくつですか。」という問題で、5+7と計算しても、7+5と計算しても、答えは12個です。

とにかく、このおなじみの代数は、我々の生活に密着していて、足し算、引き算、掛け算、割り算など、身近なものに置き換えて表現できます。

ここで、この世界が成り立つには、いくつかの前提があることを確認しましょう。まず、10進数です。次に、足し算や掛け算の順番は答えを変えないなどのルールです。

しかし、このような「人間」にとって、当たり前の感覚を忘れて、上のような定義やルールを変えるとどうなるでしょうか?

もしくは、人間とは違う考え方で動いているシステムを想定して、新しい代数を作るとどうなるでしょうか?

次回にお話しします。

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「過剰な愛情表現は愛ではない」が数学によって証明された?

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前回は、虚数と実数が一つの平面で表すことができる、というのと、角度を使うと、三角関数だけでなく、指数関数だけで、虚数と実数をいっぺんに表せるというのが分かりました。

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この前の例では、角度が単位円上で\frac{\pi}{2}であれば、上の図でわかるように、e^{i\frac{\pi}{2}} = i、になります。

では、虚数の虚数乗はどうなるでしょうか?つまり、i^i、ですね。普通に考えれば、「これって計算できるの?」となりますが、上の結果を使うと、i^i = (e^{i\frac{\pi}{2}})^i、となります。

i \times i、はー1ですから、i^i = (e^{i\frac{\pi}{2}})^i=e^{-\frac{\pi}{2}}、となります。

これを特殊な計算機で計算すると、0.2078795…という数値になります。i^i、の結果は実数になってしまいました。

昔、大学生の頃、物理数学の講義で教授が虚数の「i」を「愛」と見立てて、愛の愛乗(つまり、過剰な愛情)は、愛にはあらず、という冗談を言っていました。

実際の数学でも、iのi乗にはiが付かないことから、上の格言が正しいと証明されたようです。(笑)

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南北は「愛」に向かう、複素平面とは何か

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この前は、指数関数が虚数を挿入することによって、波の世界に代わってしまうことを説明しました。

実は、虚数は虚構の世界の物とは断定できず、実世界を理解するのに、ひじょうに重要な概念なのかもしれない、ということです。

そこで、今日は、虚実混合の世界を表すもの、複素平面に関して説明します。

平面は東西方向と、南北方向に分けられます。東西方向は実の世界、つまり、実数を表します。実数とは、整数、有理数(分数)、無理数(ルート3など)の総称です。

南北方向は、虚数の世界です。2つ合わせて複素数と言います。また、このような座標を複素平面と呼びます。

少し話を変えますが、座標(住所)は基本的に横と縦の長さで決めますよね。例えば、「1条4丁目」のようにです。数学でも同じなんですが、場合によっては、原点からの距離と真東をゼロとして左回りの角度で表すこともあります。

ここで、数学では角度を円周の比で表します。何で?とお思いでしょうが、長さに関連させるのに便利という理由からです。

学校で習った円周は、2πrでした。もし、半径が1ならば(これを単位円といいます)円周は2πです。つまり、1周(360度)を2πと表せます。(単位はラジアンといいます。)

図を見ればわかりますが、180度は半周なので、πです。これさえ分かれば、30度でも120度でも、円周率で表現できます。

先ほども言ったように、南北は虚数を表し、東西は実数を表します。それぞれ独立していると考えていいでしょう。東西をx、南北をyとすると、座標は、x +iy になります。

もし、上のように角度を使うと、座標は、\cos \theta + i\sin \theta とも表現されます。\thetaは、角度です。本当かどうか、試してみましょう。大人のための家庭教師

 

 

 

 

 

真東から90度(2分のπ)のところに+iがあります。上の式を使うと、\cos \frac{\pi}{2} + i\sin \frac{\pi}{2} になります。コサイン90度(または、\frac{\pi}{2})はゼロになりますが、サイン90度は1になります。

したがって、\cos \frac{\pi}{2} + i\sin \frac{\pi}{2} =iになって、座標の値と一致しています。

前回のオイラーの公式を覚えていますか?e^{i\theta}=\cos \theta + i\sin \theta ですね。つまり、指数関数だけでも複素平面の座標を表すことができるのです。

面白い世界ですね。では、また次回をお楽しみに。

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指数関数の、この概念だけ知っていれば、先生も満足

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よく「指数関数的に増える」と言われますが、1つ2つと増えるのではなく、いわゆる、倍々に増えていくようなものです。

正確に言えば、倍々に増えるのは、2のx乗ですが、これに近い形で、2.718…のx乗をもって、指数関数と言います。

この2.718…というのはネイピア数と言って、学校ではいきなり出てきたように思えます。つまり、(1+1/n)のn乗のnの数を増やせば増やすほど、その数に近づきます。

この指数関数の面白いところは、その関数の変化率がその関数に等しいという性質です。

実は、この性質は物理を扱う上で非常に役に立つもので、いろいろな物理で見かけることが多いと思います。

しかも、この指数関数、この前話した虚数を入れると、倍々的に増える振る舞いから、波のように振動する振る舞いに代わるのです。

これが、有名なオイラーの公式というものですが、次のような形をしています。

e^{ix} = \cos x + i\sin x

いわゆる「愛」が全く違う関数を結び付けているという不思議なものなのですが、「愛」があればこそなのでしょう。

次回は、「愛」の世界である複素数(複素平面)の話をしようと思います。

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日本人が誤解しやすい英単語、恥ずかしい思いをしないために

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和製英語も含めて、いろいろな英単語を日本で学びますが、やはり、ニュアンスまで伝わらないのは、実地で使わない限り難しいかもしれません。

昔、中学や高校で習った単語がありますが、例えば、Purse(パース)というのは、財布という意味でWallet(ウォレット)と同じような意味と「勘違い」していたものもあります。

アメリカではPurseと言えば、女の人がもつ、化粧品やいろいろ入っているハンドバックのこと以外言いません。

男の人が持つPurseは一般的には聞きません。

今では、区別して教えていると思いますが、昔、勉強した人は、どっちも同じと思っているかもしれません。

日本国内でよく見る、英訳された看板や注意書きも聞きなれない言葉を使われているのをよく見かけます。この間、Accumulatorと書いて、「蓄電池」のことを説明していた注意書きがありました。

いわゆる、「この部屋には蓄電池があるので関係者以外はいらないように」的なものです。

Accumulator?と思って、あまり聞きなれなかったので調べてみると、確かに「蓄電池」という意味もありますが、あまり一般的な呼び名ではないようです。

こういう、確かに間違っていないけど、他の意味にとらえられやすい単語を使うと状況によって、勘違いされることも多いと思います。

以前、ある生徒が、英語の授業でアメリカ人の先生に、「練習問題しないのですか」という意味で、「Exerciseしないのですか」と聞きました。その先生は「体を動かすの?運動でも今するの?」みたいにゼスチャーしてキョトンとしたそうです。

確かに、Exerciseという言葉に、練習問題を行うという意味はあるのですが、文脈やニュアンスによってとらえられ方が全然変わってくるのも理解しないとコミュニケーションがうまくいかないことがあるようです。

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虚数って何?「虚構の数」の現実とは

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ルートはご存じでしょうか。平方根とも言いますが、ある数、Aをある数、Bの二乗で表せるとします。その時BはAの平方根と言います。

例えば、2は4の平方根です。3は9の平方根です。では、3の平方根は何でしょうか?それをルート記号の「√」を使って√3になります。(下の負の数の概念を踏まえれば、正確には±√3が3の平方根です。)

ところで、話が変わりますが、負の数と言えば、ゼロより少ない数として定義されています。納得いかないかもしれませんが、負の数かける負の数は正の数ということもご存じだと思います。

まぁ、掛け算というのは、演算という行為なので、負の数に負の演算をすれば、2重の負の行為ということでせいになると考えていいと思います。(このページが助けになると思います。)

では、少し元に戻って、負の数の平方根を考えてみましょう。例えばー4の平方根はなんでしょうか?平方根は同じ符号でなければならないので、二乗して負の数になる数はありません。みんな正の数になってしまいます。

そこで、考えたのが、二乗して負の数になる記号です。これをi(アルファベットのアイ)で表し、虚数と呼びます。つまり、i かける i はー1です。

われわれの生活にはなかなか現れないものですが、ひじょうに面白い数ということを次回、説明しましょう。

辞書ではわからない英単語、ニュアンスの伝わり方

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英語と一口に言っても、会話英語、文章英語、映画のようにスラングが多い英語など、場面によって使われる単語やフレーズが違ってくるのはご存じでしょう。

日本語もそうですが、言葉には歴史があり、変遷もあり、単語一つ一つに込められるニュアンスも、その使われ方によって、馴染んでいくものです。

しかしながら、外国語を学ぶとなると、そういう感覚というのを一朝一夕には身に付けられません。

まず、習いたての時は、知らない単語を見かけると、辞書を見ながら母国語と比べながら覚えていきます。

英語を勉強するなら、英英辞典を使うように勧められますが、中々意味が入ってこない時もあります。(なるべくなら英英辞典も使ってください。用法などを習得するには、とても良いです。)

今回は、英和辞典ではわからない2つの英単語のニュアンスに関して説明します。

まずは、有名どころで「drug」でしょうか。もう日本語にもなっていますが、言葉のニュアンスからすると「薬物」という意味合いが強いと思います。

極めて客観的な語彙なのですが、使う場面や、いっしょに使う単語によっては、危ない言葉にとらえられがちです。

ドラッグ・ディーラーは「お薬の販売員」ではなく、「違法薬物を扱っている者」になるでしょう。

ただ、一方で、ドラッグ・ストアーは、アメリカでも使われてますが、一般の日用品なども売っている薬屋で、悪い意味はありません。

でも、絶対に空港や警察の前でドラッグという言葉は使わないようにしましょう。必ず悪い方に判断されますので。

次の単語ですが、これを知っている人は、あまり多くないと思います。大学受験やその他の英語の試験を受けた人なら知っていると思いますが、「consequence」という単語です。

英和辞典には、大抵、「結果」という言葉が当てられています。その通りなのですが、ニュアンスで言えば、どちらかというと「悪い結果」という意味合いで使われることが多い単語です。

もちろん、文脈やセットで使われる単語にもよるのですが、こういう単語の背後にあるニュアンスを知ると、より的確に伝えやすいかもしれませんね。

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これだけ知れば、「勝利の」微分方程式の概念が分かる!

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よく「勝利の方程式」と言われますが、ある種の条件に対して、そのような対処をすれば、このような結果が出る、という状況のことを言いますね。

スポーツの世界の「方程式」は、複雑で不確定な条件も細かいところであるので、確率的になりますが、簡単なものでは、「千円の予算で1個50円のリンゴを最高でいくつ買えますか?」という問いには、個数をxとして、50x=1000、という方程式を解けばいい形です。

前回、微分・積分に関して、お話ししましたが、微分とは「瞬間、瞬間の変化」を表します。

その変化の条件が分かっていれば、微分方程式というものが作れます。

そして、「微分方程式を解く」というのは、その瞬間、瞬間をつなげていって、全体像を、例えば、時系列にそって、どう変化しているのかを求めることなのです。

有名なところでは、ニュートンの運動方程式です。あれは、簡単で、(力)=(質量)・(加速度)です。

実は、加速度というのは、位置を時間で2回微分したものです。(一回すれば、速度です)

方程式の中に微分があるので、運動方程式は、微分方程式です。解答を得るために、「繋げて」いくのですが、技術的には「積分」をすることによって、刹那、刹那を繋げていくということです。

微分方程式に関しては、物理に関わらず、生物の個体数の増減など、身近なもので、時間的に変化するものなどに応用されています。

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微分・積分、これだけわかれば簡単なこと

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微分・積分と言えば、高校数学で習いますが、文系の方で覚えておられる人は、どれくらいいるでしょうか。

xの2乗を微分すると、2xになる、とか、コサインxを積分すると、サインxになるとか、覚えている方も多いと思います。

しかし、やり方はわかるけれど、「だからなんなんだ」という人も少なくないと思います。まさに、「いつ使うんですか?」という質問です。

まず、簡単に言えば、微分は割り算(変化の割合)で積分は足し算なのです。こう考えれば、普段やっていることなので難しくないと思います。

「だったら、最初からそう言ってくれればいいのに」という声が聞こえてきそうですね。

ただ、概念的に違うのは、微分は割り算でも、「その瞬間、瞬間」の割り算であり、積分は「ひじょうに細かいもの」の足し算ということです。

では、日常的にはどういうことでしょう?車を運転で右折する際、対向車がどれくらいのスピードで走っているか感覚的に分かりますよね。実は、これ、頭の中で「微分」しているのです。

つまり、対向車が単位時間当たりにどれくらい進むかを瞬時に割り算して求めているのです。

積分はどうでしょうか。紙の上に適当な形を描くとします。円でも四角でもない不規則な形です。その面積を求める時、どうしますか?面積の公式などありません。

そこで、5ミリ四方の正方形(25平方ミリメートル)がその形の中にいくつ入るか、やってみることにします。もし、100個入るならば、2500平方ミリメートルが面積になりますよね。

実は、これが積分なのです。もっとも、正式な積分では、もっともっと小さな「正方形」で面積なり体積を求めますが、原理は一緒です。

これさえ分かれば、微分・積分も簡単なことだと思います。

遠心力って本当は存在しない?これだけ知れば、あなたもハナタカ

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物が回れば、中に入っているものが遠心力を受ける、という表現は、間違ってはいないのですが、遠心力というものが独立して存在するというのは、違います。

「車を運転して、ハンドルを右に切れば、左に体が引っ張られるじゃないか!」と言いますが、ハンドルを切る方向に力をかけたから、左に「見かけの力」が働いただけなのです。

つまり、遠心力も同じで、向心力(中心に引っ張る力)があるから、外側に離れていくような見かけの力(遠心力)が生じるということです。

このような話をすると、禅問答のように聞こえがちですよね。「あなたの言ってることは、わからないではないが、ピンとこねぇ」なんて声が聞こえそうです。。。

では、明快な例を示しましょう。糸の先に物体を付け、糸の先をもって回してみます。下の絵を見てください。

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二つの絵がありますが、いずれもBの場所で糸を離しています。もし、遠心力が実在した力であれば、左の絵のように、離れた時点で、外側に物体が飛んでいくはずです。

しかし、現実は、右の絵のように円運動の接戦方向に飛んでいきます。つまり、遠心力というのは、そもそも物体には、かかっていないのです。

多少の混乱はあるでしょうが、「本物」の力と見かけの力の違いというのは、物理学を矛盾なく進めていくのに重要である、と覚えてもらえれば、うれしいです。

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補足: ご指摘にもありましたように、ここでの説明は、あくまで初歩的なものになります。ですから、誤解を招くような表現もあるかもしれません。ただ、実際に、円運動をしている物体にかかっているのは、向心力だけです。そうでなければ、円運動を物理学的に記述できないのです。また、上の図例は、遠心力が独立して物体に働いていないことを示しているだけということも、ご了承ください。

現実には、遠心力などは非慣性系を考慮したときに出てくる力で、これを物理の用語で「見かけの力」(英語でfictitious force)と言います。もちろん、それらの力で説明できる現象などもあり、ここでは、すべてを解説していませんので、ご興味のある方は、正規の教科書を参照したり、授業を取ることをお勧めします。