子供の頃、空間の次元について習ったとき、暗黙の了解というか、先生が分かりやすく教えるためなのか、「1次元の線分は、無次元の点の集まりで、2次元の平面は、1次元の線の集まりで、3次元の立体は、2次元平面の集まりである」、と認識させられていました。
概念的にはわかりやすいですが、そこから実用的な方法論というのが導きづらいという点もあります。
簡単に言うと、「だから何?」というものです。
そこで、微積分の創始者たちは、1次元の線分はひじょうに小さな線分のつながりと見ました。
また、平面は、小さな平面の集まり、立体は、小さな立体の集まりとしました。
そうすることによって、面積や体積などを計算する道具になり、様々な分野で発展することができました。
では、最初の概念は全く無駄だったのでしょうか。後付けの議論ではあるのですが、この概念は、フラクタル次元の考えに通じます。
フラクタルというのは、簡単に言うと、あるルールによって、線や面が入り組んでいく図形のことを言います。
そこで、「あるフラクタル曲線がどれだけ平面を埋め尽くすことができるのか」という見方をすれば、1次元と、2次元を結び付けることができます。
もう少し丁寧に説明すると、複雑に入り込んだ線分は、入り込めば入り込むほど、紙の上を黒く埋め尽くすということです。
そこで、フラクタル次元というものが登場します。つまり、これは、ある曲線がどれだけ紙を黒くするかという指標になります。
そうすると、1次元と2次元の間という概念ができるので、フラクタル次元には、1.5次元などのように、小数が含んでくるのです。
フラクタル次元の詳しい説明は、次回に行います。