物理の基礎に運動論というものがあります。位置、速度、加速度などの量から、基本的な運動の記述の仕方に関しての議論です。
車の運転もそうですね。平均速度を求めたり、ある時間から、ある時間までの加速度を求めたり。こういうのも運動論の問題です。
さらに、物を投げた時の運動も運動論で議論できます。これを、放物線運動と言って、重力も考慮に入れます。
放物線運動の一つになりますが、真上にボールを投げることを鉛直投げ上げ運動と言います。
全ての投げ上げ的放物線運動に言えるのですが、投げた時の初速度が、地面に付く瞬間の終速度と同じになります。もちろん、空気抵抗などがない場合です。
そうすると、例えば、銃を天に向けて撃つ速度と地表に落ちてくる速度は同じになります。
つまり、落ちてくる銃弾にあたると言うのは、ある意味、銃で撃たれることと一緒になります。
ここに、実話があります。ある国でサッカーの試合がありました。ゴールキーパーが試合中に突然、激しい頭痛に襲われてしまいました。何とか頑張って、試合後に病院に行き原因がわかります。銃弾が頭蓋骨に刺さっていたのです。
幸い、命に別状はなく、問題はなかったようですが、近くの結婚式か何かで、誰かが空に向かって打ったのでは、ということです。
ちょっと待ってください!先ほどの議論では、投げ上げの初速度と終速度は同じ速さなのに、なぜ彼は軽症で助かったのでしょう。
空気抵抗のおかげです。雨粒も高いところから落ちてくるのに、人間をケガさせたり、物を壊したりしないのは、大気のおかげなのです。
ただし、人為的に高いところから物を落とさないように気を付けましょう。