あるウェブページで見かけたのですが、「個人でやっている教師の方が効果的に教えてくれるらしい」、と。
理由は書いていなかったのですが、周りが言うには、そういう人の方がうまく教えられる、ということです。
そこで、自分の経験から、なぜそうなるのか考えてみました。
個人で教えるには、「教える」ことに自信や信念がある人が多いと思います。教えるというのは、考えながら創意工夫しなければいけないですし、それを苦にするようでは成り立たない仕事です。
では、学校や組織で教えている場合はどうでしょうか。
組織的に教育をする場合、ルールに従う傾向にあります。また、金儲けと両立するために、いろいろな制約も付いてくるでしょう。
したがって、お金とルールの下に教師は疲弊し、学生もそういうマネジメントの下で、点数や成績を上げることが目的となります。
組織のルールに従えば、教師は給料ももらえますし、学生は理解していなくても点数さえよければ、当面の目的は達成できます。
ここから言えることは、教育を組織だって行うことには、弱点があります。つまり、ある程度のプロセスさえふめば成り立ってしまうということです。
アメリカの公立学校では、多くのお金や人をつぎ込んでいるのに、なかなか改革が進みません。小さい規模でやっている教会の個人教師は教えるのがうまいのに、組織立って行う私立の学校に潰され、結局、金儲けだけに教育が利用されているケースも多いようです。
日本では、組織として、方向性が決まれば一点集中の教育で成功はしますが、環境が変わると自分で考えられないために、長い間、右往左往してしまいます。
個人の信念がある教師は、そういうところから一番遠い存在なのかもしれません。ですから、評判が良いのだと思います。
ところで、上杉鷹山という日本の政治家はご存じでしょうか。アメリカのケネディ大統領が参考にした人物で有名です。恐らく日本の最も優秀な政治家の一人でしょう。
彼にも家庭教師がいました。細井平洲と言いますが、彼は鷹山に多大なる影響を与えた私塾の教師であったことは、重要な事実なのかもしれません。
師匠と弟子というのが一番効果のある教育法であるというのは、教育学では有名です。学校や一般の塾組織も、すべてが悪いわけではありませんが、教えることの効果は、孤高の教師の方があるのかもしれません。