たまに学生さんから、「概念はわかるんだけど、どうやって計算して良いかわからない」とか、「公式がわかれば解けるんだけど、どの公式を使ったらよいかわからない」と言われます。
確かに、概念的なところを知っていることは、良いことです。しかし、それでは、理解しているとは言えません。
では、理解することとはどういうことなのでしょうか?理解できていれば、問題解決において、どこから始めればよいか、どのような情報を利用するのか、どうやって数式にするのか、その後、それをどう計算して最終的な結果がでるのか、果たして、その結果はリーズナブルかどうかまでチェックする、など一連のプロセスを遂行できることなのです。
「そこまでできれば苦労はしない」と言う声も聞こえてきそうですが、ぼやーっとしかわからなかったり、ヒントをもらえないと解けない、とすると、常に誰かを頼りにしないといけません。これで教育されたと言えるでしょうか。
ここで、教育のゴールと理解させることとの共通点が見えてくると思います。つまり、教育というのは、学生に学ばせることであり、独立して物事を進められるようにすることなのです。
しかしながら、現実の学校教育はどうでしょうか?本当に学ばせている教師はどれだけいるのでしょう。
教育を行うには、本当の意味で知的でないとできないのかもしれませんね。