数学、科学、工学の違いがわかりますか?

大人のための家庭教師
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たまに、日本語の記事を読んだり、日本の方と話していると、数学と科学、科学と工学などを混同している方が多いのに気が付きます。

恐らく、理系・文系という区別の中で曖昧になってしまっている感じでしょう。加えて、どの教科で点数を取るかを目的とした受験の一部としか見ていないからなんでしょうか。

そこで、少し数学、科学、工学とは何かについてお話ししましょう。

まず、数学は、基本的なルールを作り、そこからいろいろな事実を導き出し、その数学的世界観を広げていく感じです。当然、論理的に緻密な世界でなければいけないので、世界構築の作業が数学にとっての肝になります。

ルールに従い、論理的であるということが主体であるため、人間が生活している現実世界と必ずしも一致しません。むしろ、人間世界とは全く違うものが数学的な世界です。

一方で、科学とは、自然を探求する学問で、人間が面している世界がどのように構成されているかを調べるのものです。ですので、実験結果が最終的な証明手段となります。

科学に数学を利用するのは、自然が数学的である部分があるからで、その一部を利用しているだけです。また、数学的な科学モデルも無数に作ることができますが、それが、実験結果を予測できなければ、たとえ数学的に正しくても淘汰されてしまいます。

最後に工学ですが、良くエンジニアリングとい言われるものです。工学は、人間の生活や人間が実現したいことに対して行われる技術になります。その実現手法に電気を使えば、電気工学、力学的なものに基づいていれば機械工学など、いろいろな分野があります。

とにかく、工学は、人間が作るという発明に関したものと言えばよいでしょう。そのために自然科学や数学の一部を利用しています。

それぞれ重要な役割があるのですが、日本では科学に対する認識が低いように思えます。

確かに、日本のように数学、科学、工学の垣根が低いと比較的簡単に分野間で交流できるという利点はありますが、それぞれの得手不得手を把握して俯瞰することができないので、新しいことを行うためのリーダーシップが取りづらくなってしまいます。

現在、提供されている教科が何のためにあるのか、たまには考えてみても良いのではないでしょうか。

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