瀧本哲史氏の本、「戦略がすべて」に次のように書いてありました。「ほとんどの日本のビジネスマンは『高級作業員』にすぎない。いくら大企業に勤めていようとも、テンプレート化された仕事をより早く、より効率よく行うルーチンワーカーなのだ。」
この文言、実は、教師に関しても当てはまるんです。ほとんどの教師や教授も高級作業員でしかなく、テンプレート化された授業を、より効率よく行うルーチンワーカーともいえると思います。
実は、この事実、日本を作っているほとんどの「部分」に当てはまるところがあって、それが、政治家も含めて、いろいろなところで言えるのです。(もちろん、一部の素晴らしい組織はありますが)
例えば、組織内に問題があって、第3者委員会を設立して原因を追究する、など、ほとんどうまく行えないですよね。
また、よく外国から来て日本に住んでいる人が言われているのが「店員がマニュアル通りにしかやらないので全然融通が利かない」とかいうのも、似たような現象です。
なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか。私が見る限り、戦後、日本が行ってきた「ヘタレ教育」が原因だと思っています。ヘタレ教育というのは、まさに効率を重視して「お上」が絶対権力を行使して、教育を実質、統制するやり方です。
「そんなことはしていないし、法律上そんな民主主義に反することができるはずない!」と反論される方もおられるでしょうが、事実、教育委員会やそれに準じた組織が、ほとんどを仕切っていて、偏差値・順位などで生徒らを裁き、教育に対する選択肢が少ない状況では、そう言われても仕方のない状態が続いてきました。
したがって、上の例のように、マニュアルに従って、マニュアル通りにやるだけというのが、ほとんどの日本人の仕事の仕方になっていることからも、よくわかると思います。
このような教育を受けてきた人たちが教育や政治を変えるのは、そもそも無理だということがおわかりでしょう。
解決策はいくつかありますが、現在の教育を変えるのは、ほぼ無理と考えたうえで、「ヘタレていない教育」ができる人や組織で学べる選択肢を増やしていくことと、その組織への社会的評価を透明化することが一つです。
そこから輩出される教育者が広がって、効果が出ると、周りは真似せざるを得ないでしょう。もちろん、言うほど簡単ではないでしょうが、わかっている人がリーダーシップをとれるような環境、それが一番大事、なのです。