日本人のノーベル物理学賞は、喜ばれるのに、物理学の授業が嫌われる理由

大人のための家庭教師
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物理学と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?恐らくノーベル賞が一番有名でしょう。ニュートンやアインシュタインなどの名前を思い浮かべる人も多いかもしれません。または、太陽系、銀河など宇宙の成り立ちと物理学を結び付ける人も多いと思います。

そもそも、物理学とは何でしょうか。自然界で繰り広げられている、物同士の運動をどのように記述するか、から始まった学問です。その事実の積み上げにより、理論的な枠組みが作られ、そこから、いろいろな工学的応用もされています。

小さなものでは、コンピュータに使われている半導体の振る舞い方から、大きなものでは、宇宙の成り立ちや、星の運動も物理学に当たります。

ある意味、構造や力学的な見方において、極めて基礎的な科学の分野でもあります。ですから、物理学の見方を利用して、化学結合や化学反応を分析したり、生物的な現象などの解析などにも使われています。

一方で、応用数学の側面もあって、数学と科学の緊密な関係を科学の側で貢献しているのも物理学と言っても過言ではないでしょう。

したがって、アメリカの大学では、自然科学を専攻する学生すべてが物理学を必須科目として取らなければいけません。科学的考え方を習得する目的でもあります。

ところで、日本ではどうでしょうか。教育のカリキュラムを見る限り、物理の重要性をわかっている人たちが少ないような気がします。

以前、ネットで高校の教師が、「物理学を取る学生が減ってきている」などとコメントしていました。結局、教える方も教わる方も、難しい科目なので、避ける傾向にあるのでしょう。

難易度の一方で、日本の教育全体が、「受験」中心であって、いかに点数を取って合格するかが目的になってしまっているというのも見て取れます。何のために学ぶのかの目的がおかしな方向に行っています。

しかし、身の回りを見れば、物理学と関係のないものを探す方が難しいのです。当然、コンピュータや多くの電化製品は、物理学の応用です。外に出れば、風、音、空、虹なども物理学の理論で一貫してそれらの現象の説明が可能です。

カーナビに使われているGPSも、アインシュタインの相対性理論なしでは実現しませんでした。医療施設にある、レントゲン、MRI、PET、ファイバースコープなども物理学の応用です。

残念ながら、学校では、物理学という学問とその歴史に貢献してきた人間のドラマと、彼、彼女らが実現してきたこと、その背後にある哲学など全部取り除いてしまっています。

教育が正しく行われなければ、多くの人たちをダメにしてしまいます。信念や自主性など無くして、目先のことだけ考えることを薦めるような教育であっていいのでしょうか?

ついつい、考えてしまう今日この頃です。

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