人々は、どこか、「テストで高得点を取れば、優秀である」と思っていますが、それは、テストの質、つまり、問題の内容や構成にかかっています。
現在まで、いろいろなテスト問題を解いたり、教えたり、また、作ったりしてきているので、今日は、少しテストの内容を吟味してみます。
まず、良いテストですが、受験者の答え方など、多くのデータで研究、修正してきているテストがそれにあたります。アメリカの民間ではありますが、有名なテストは質が高いです。例えば、TOEFLやGRE、SAT、MCATなど、結構ありますが、きちんと理解していないと、点数が上がりません。
理解していないで答えると、間違った選択肢を選ぶようにしてありますし、点数の換算は、偏差値制なので、他の受験者に比べて根本的に実力を上げないと、点数に反映しません。何度も受けていれば、パターンがわかって少しずつ点数が上がるようにはできていないのです。
また、彼らはテスト製作のプロなので、受験生のこたえるパターンが変わると、テストの出し方などもそれに対抗して変えていきます。これは、学校側として本当に理解している学生を受け入れたいので、テスト業者は、そのプレッシャーの下で作っています。いずれにせよ、テスト内容は、常に改善されています。
次に、悪いテストの基準です。まだ日の浅い資格試験や、テストづくりのプロでない教授などが作った大学の2次試験や編入試験などに多いのですが、学生がどれだけ理解しているかを測る指標ではなくて、点数をどれだけとることができるかに照準を合わせています。
そうなると、きわめてマニアックな難しい問題が出題されたり、合格後に必要な知識や考え方を問うものではなく、問題を作る側に都合の良いようなテストになります。
私は、プロとして問題の解き方は教えられますし、まぁ、難問を解くこと自体、楽しいのですが、受験者の立場に立つと、将来に必ずしも必要な内容でないので、こういうテスト問題は、教えていて心苦しくなります。
最後に、普通の試験ですが、一般の定期試験、ある種の資格試験や標準試験に多く見られがちの、簡単すぎる問題をだしたり、問題を読まずに、選択肢だけで正解できるような問題も含めて、いろいろな難易度の問題を適当に含んだ、よくあるテストです。
これは、それなりに実力は評価できるものの、本当に理解して答えているか、わからないのが欠点です。クラスの成績や、1次試験的なものであれば、よく見られるような試験です。
そもそも、テストだけで実力を見たり、本人の能力を、はぐくんだりはできませんが、試験の質をチェックすると、試験結果の評価も変わってくるのではないでしょうか。