2020年になって、3月・4月と感染症流行により全国的に社会的な動きが麻痺してしまい、学校も全体的に閉鎖されました。6月現在、だいぶ動きは取り戻せた感じですが、当初、学校が閉鎖されることによる、学力の低下などが心配されました。
今回は、私の経験から、1年や2年の勉強内容であれば、それほど時間をかけずに挽回できるということをお話ししましょう。
だいぶ前です。高校中退して、何年か親の自動車整備の仕事を手伝っていたのに、急に進学がしたくなって大学に入学した学生の面倒を見たことがあります。
高校中退で、1年以上の学習内容がすっぽり抜けていて、さらにその状態で大学の授業についていかなければいけないので、大変な思いをしていたはずです。
当初は、優秀な友人の近くで勉強がてら、宿題の解答を写すだけのようでした。やはり、こちらから見ても、理解しているようではなく、やることなすことアップアップだったような感じでした。
よく、私のオフィスに、「全然、わからない!」と言いながら質問に来ていましたが、彼の良かったところは、あきらめずに頑張ったところかもしれません。
こちらも、もちろん、容赦せず、やらせないといけないことはすべてやらせましたし、彼の質問にもすべて答えました。お互い、わかるまでとことんやったと思います。
1学期目の終わりくらいに、彼の表情がかわり、自分自身でテストの解答をかけるようになっていました。
2学期目も私の授業を取った彼が、しばらくして言ったことは、「問題を解く際に何をやっているかわかるようになっている」とニコニコしながらまわりの学生にしゃべっていたのです。
その後、彼は、競争率の高い研究所のインターンシップに応募して選ばれ、人生の方向がっ全く変わっていったようです。
1年以上のハンディを背負っていたものの、苦しいのを我慢して、あきらめずに続ければ、人生、大逆転できた、という例です。
一方で、一人ですべてを克服するのは大変でしょう。というのも、私が観察するには、教育環境に合わなくて、やめたり、落ちこぼれたりする学生も少なからずいるのです。
これは、小学生や中学生だけでなく、大学生など大人の人たちにも言えることで、もっと、自由に、しかも、かゆいところに手の届くような教育が提供できるようになるように、ある程度、教育の自由化や補助などがあってもよいかもしれませんね。