今年は2022年、去年、一昨年と世間的(世界的にも)大きく変わってきたと思います。
しかしながら、表層的に変わったところだけにとらわれてしまうと、いろんな点で後れを取ってしまいます。いわゆる、問題の本質をとらえられず、判断を誤るからです。
ここで、ある経験をお話ししましょう。2019年、まだウィルスがまったくなかった時期でした。購読しているビジネス関連のサイトから東京でセミナーがあるというメールが届きました。
聞きたかった内容で行きたかったのですが、スケジュールがとれず、あきらめました。とりあえず、アイデアがあったので責任者に次のようにメールを送りました。
「お金を払ってでもいいので、ビデオを配信していただけないですか?」と。しかし、返信は一切ありませんでした。無視です。今では、当たり前のようにリモート会議やっていますが。(笑)
アメリカでは10数年前くらいからウェビナーといって、ネットワーク越しに簡単な会議やセミナーを行っていたので、日本でもできるかと思ったのですが、全く考えになかったようです。
結局、大局的に状況を見ていなかったと思います。これからどうなるか、顧客が何を求めているかなど、「考えるクセ」というのがなかったのでしょうね。
こういう事例は日本だけでなく他の国の人にも良く見受けられます。知識の量ではなく、知識のめぐらせ方といいますか、そういう感覚が少ないように思えます。
つまり、新しいアイデアを理解したり、議論したり、発展させたりができない、ということです。これは教育の現場で養われていないといっても過言ではないでしょう。
単なるノウハウや、知識は、ネットを開けば簡単に手に入ります。しかし、周りの状況を観察して、重要なことを見出したり、知識を練って解決するには、それなりの訓練が必要になります。
現在、インターネットなども充実して、人工知能も簡単に利用できる中で、そういう「訓練」が教育には必要になってくるのではないでしょうか。