世の中、教育改革と言われて久しいのですが、なんか、変わったような感じがしない、というのが本音ではないでしょうか。
もちろん、今までいろいろな修正や変更が行われ、良くなっている部分もあります。しかしながら、効果を得るまで時間がかかるため、常にその評価が難しくなるのも事実です。
ここで、教育に関するいくつかの誤解についてお話ししましょう。まず、「子供の時から一生懸命教え込めば、どんどん吸収する」というものですが、必ずしもそうではありません。
また、「大人になってから学ぶのは大変だし、無駄」というのも、正しくはありません。つまり、子供だろうが、大人だろうが、やる気がなければ、効果的に学べないのです。もちろん、才能などがあるので、学べる早さなどは個人差がありますが、年齢に関しては、それほど関係ありません。
実は、若い人は経験がないがために、何を学んでいるかわからなかったり、質問する素養もなかったりしますが、逆に大人が大学に戻って学ぶのを見ると、学ぶ大切さを知っていたり、もっと知りたいという感覚も若い人よりも強かったり、質問も多様な経験から鋭いことを聞く人が多いです。
学生だけでなく、教師も重要な要素になります。彼らのクラスマネージメントや教科の知識も、学習には重要な要因になっています。
つまり、学生のやる気と、教師の能力が学習効果を最大限にできるのです。「当り前じゃないか」という人もいると思いますが、意外とわかっていない人が多いと思います。
実際、現実はどうかと言いますと、学びの質より、とにかく、テストで点数が稼げれば良い、とか、資格さえ取れれば、内容なんてマスターしなくても良い、とか、高校(大学)さえ入学できればいいんだ、など考えている人たちの方が多いのではないでしょうか?
一見、一生懸命、勉強しているようで、その考え方が結構、自分勝手になっていますよね?合格さえすればよい、という考え方は、自分さえ良ければそれでよい、となります。
「こりゃ、けしからん」とお思いでしょう。でも、こういう態度を世間的に許しているんですよね。実際、社会を見ると、人の見ていない所で自分の利益だけを考えて公の利益なんてどうでもいい、という人たち、多くないでしょうか?
もしかしたら、日本では、このような考え方を、現行の教育から学んでいる人たちが少なくないということですね。
「教育改革による○○教育に期待!」という、上からあたえられたものよりも、そろそろ、教育に対する根本的な態度に関して考えていくのが大事ではないでしょうか。