アメリカと日本の英語教育の違いとは

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ここ何度か、日本の大学院や大学編入のための英語の試験を教える機会があったのですが、今回は、日本人が学ぶ英語と、アメリカ人が学ぶ英語の違いを説明したいと思います。

アメリカにおける英語教育は、日本で言う国語の教育ですね。当然、基本的な文法も学びますし、それ以上に、読み書きを徹底して教わります。

日本人にとっての英語は、もちろん、外国語になります。ただ、学校では、生きた言語というよりは、どこかの国で使われているだろう「暗号」のように教えられている傾向がありますよね。

つまり、どうやって日本語に訳すことができるか、そのための文法として、どの修飾子がどの単語にかかっているかの分析に終始している感が強いです。

そのため、英和辞書で、ひとつひとつの単語を一生懸命意味を調べて、何とか意味が通るような日本語に直すという作業が英語学習のように見受けられます。

しかしながら、英語は現在、人々のコミュニケーションのために使われている言葉ですので、単語の選び方や、文法を超えた語法などで微妙なニュアンスを伝えているのが現実です。

それを踏まえて、何のために文法があるのかというと、正しく、かつ、美しく物事を伝えるために存在しています。誤解のない表現や、文の形態ひとつひとつに言語の文化や哲学が含んでいるのです。単なる暗号解読のための公式ではありません。

日本の英語教育では、文法は、この関係代名詞がどの単語にかかっているのか、とか、この文はSVOの構文なのか、どこからどこまでが主語でどれが動詞か、などという、言語分析的な発想で見ますが、アメリカ人は、実際使っているので、そのようには見ずに、動詞の活用は正しいか、名詞の単数・複数は、文に呼応しているかなど、文全体のバランスから文法を見ています。というのも、それによって意味が全然変わるものがあるからです。

あと、日本人が苦手な不定冠詞や定冠詞も、文の意味を伝えるのに重要な役割を担っています。日本語においての冠詞は、厳格な文法として存在しないため、日本人は、英語における、冠詞の役割を軽視しがちですが、つけるつけないで、大きく意味が変わるな場合もあります。

また、文法があっているからと言って、正しく伝わらないこともあります。これは、単語の語感や、語法によって、意味が確定しないこともあるからで、日本語のように抽象的な表現が多い言語を英語に直すと、意味が全然伝わらないことも多々あります。

もちろん、全てのアメリカ人が正確な文法を把握しているわけではなく、むしろ、日本人の方が、きちんとした文を書けるとアメリカ人に驚かれることもありますが、少し、程度の高い文を読んだり書いたりするといった面や、より深くコミュニケーションを取る場合は、上のようなことも把握すべきかもしれないですね。

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「Yes」の日本語訳が「はい」ではない、という驚愕の事実

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英語を習得するには、発音が大事と言ってきましたが、今日は、少し違った視点で、日本人が英語が苦手になりやすい点を指摘したいと思います。

まず、英語は英語、日本語は日本語と理解します。翻訳の方程式というものに頼りすぎると、なかなか、英語を理解できません。

例えば、「お世話になります」とか、「よろしくお願いします」というのは、日本語独特の決まり文句であって、英語には直訳できませんし、そういう言い方を英語でしようとすれば、おかしな方向に理解されます。

日本語は、自分をへりくだる文化によって発展してきましたが、英語など西洋語は、自己主張の文化によって発展してきたのです。

そうなると、言葉のニュアンスから、文章構成まで全く逆になってしまうのです。

つまり、日本では、「あなた」や「まわり」の中で自分がどう行動するかを表現しますが、英語では、自分があなたや周りにどうするか、どう思うかを率直に話します。

ただ、勘違いしてほしくないのは、英語にも失礼な言い方はありますし、相手をおもんばかった表現があるのですが、基本的に「へりくだる」表現はない、という事を覚えておくと誤解が減ると思います。

そういう中で、日本語の「はい」と英語の「Yes」は、ニュアンスから言えば、全然違う言葉になるでしょう。

日本語の「はい」は相手に対して受け身の言葉として使われることが多いです。つまり、返事とか、相槌とかですね。もちろん、肯定するときにも使いますが、適用範囲が広い単語です。

一方、「Yes」は、自分が何かに対して、肯定する意思を示す言葉です。つまり、私は、(または、他の主語)あなたの言っていることを肯定します、という表現になります。

ここで、日本人が間違えやすいのは、Didn’t you make this mistake? (あなたがこれを間違っていないですよね)と聞かれて、日本語のように、「はい、私ではありません」というように、Yes と言ってしまうと、英語圏の人には、「あなたがやった」と思われてしまいます。

日本語の「はい」は、相手に対しての肯定になりますし、文法上、「はい」でも「いいえ」でも最後に言ったことが正しくとられるのですが、英語では、最初に言っていることに重きを置くので、「Yes」といって、後の文で否定すると、混乱されてしまいます。

いずれにせよ、基本はそうですが、人によっても変わってくるので、英語と日本語を直訳で結び付けると、いろいろと誤解を生むというお話でした。

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先生は年上の生徒をうまく教えられるかがポイント

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日本も最近は、社会人が大学院などに進学する人が多くなっていますが、アメリカの場合は、キャリアアップというよりは、むしろ、最初から学び始めたり、全く違う専門の職に就くために大学に入りなおす人がいます。

今までの日本は、何歳になったら、小学校入学、中学、高校大学と、若いうちから決められた進学方法でしたが、現在は、社会の流動性などが高くなりつつあるので、アメリカのような柔軟性のある教育法が望まれていくでしょう。

題に書いたように、学生が先生よりも年上であることがあります。その場合、未熟な教師では中々うまく教えられないことが分かります。

経験のある大人の学生の質問は鋭いですし、勉強に対する態度も真摯です。子供を扱うように教える教師は場違いだと感じてしまいます。

そういう大人の学生を説得させられる、教師・教授はなかなかいないのも事実ですよね。

日本でもアメリカでもそうですが、これからは、大人も学び続けなければなりません。そういう教育の環境ができていくことになると思います。

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○○さんが流暢な英語でスピーチしました、って本当?

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よくテレビで、「○○さんが流暢な英語でスピーチしました」と聞くのですが、本当にそうなのでしょうか?

実は、たいていの場合、発音が「かっこいい」だけで、「正しい」発音ではないことが多いです。

日本語で表現できる発音は、英語やその他の外国語よりも少ないために、一夜漬けで覚えたスピーチでは通じないことが多いのも事実です。

RとLだけでなく、日本語では区別しにくい発音が多くあるため、通じる英語を話すのは、意外と大変です。

でも、一方で、アメリカ在住の人がそれほどきれいな発音でない英語で通じているのはなぜでしょうか?

これは、通じる文脈と、通じる発音のコツを得ているからです。

自己満足の英語から脱却していくのが、英語取得の秘訣かもしれないですね。

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